暮らすことも、働くことも、自分たちらしく。『なりわいながら暮らす家』が、第43回 住まいのリフォームコンクールで会長賞を受賞!

2026.10.16
マガジン
暮らすことも、働くことも、自分たちらしく。『なりわいながら暮らす家』が、第43回 住まいのリフォームコンクールで会長賞を受賞!

「いつか、自分たちのお店を持ちたい」
そんな母娘の長年の夢から始まった、大阪府八尾市のリノベーション。

恩智神社のふもとに建つ築36年の鉄骨住宅を、1階はカフェとエステサロン、2階は住まいへ。暮らすことと働くことを、ひとつの建物で叶えた「なりわいながら暮らす家」です。

このたび、美想空間が設計・施工を手がけたこちらの住まいが、「第43回 住まいのリフォームコンクール」において、一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 会長賞を受賞。全国303件の応募の中から、国土交通大臣賞をはじめとする上位賞7作品のひとつに選ばれました。

今回は、受賞のご報告とともに、施主であるI様母娘の夢が形になるまでのストーリーや、このリノベーションに込めた工夫、そして今回評価いただいたポイントをご紹介します。

第43回(2026年度)「住まいのリフォームコンクール」表彰式

住まいのリフォームコンクールとは。

「住まいのリフォームコンクール」は、住宅リフォームの普及促進と技術・品質の向上を目的として、1985年度から続く歴史あるコンクールです。
全国各地で実施されたリフォーム事例を対象に、建物の性能や設計・施工の工夫、住まい手の暮らしへの配慮など、さまざまな観点から優れた作品が選ばれます。

今回の第43回では、全国から303件の応募があり、上位賞に選出されたのは7作品。
美想空間の「なりわいながら暮らす家」は、そのひとつとして住宅瑕疵担保責任保険協会 会長賞をいただきました。

今回評価されたのは、単に店舗と住宅をひとつにしたことだけではありません。
限られた予算や敷地条件の中で、母娘の夢を実現し、地域にも開かれた場所をつくったことも高く評価されました。その背景には、物件探しから始まったさまざまなストーリーがありました。

一度は諦めかけた夢

今回の住まい手は、仲良し母娘のI様。
お嬢様が高校生の頃から「いつか自分のお店を持ちたい」と話していたそうで、その夢を叶えるために、社会人として働きながら資金を蓄え、物件探しを進めてこられました。

当初は大阪市内を中心に、古民家や賃貸物件を探していたお二人でしたが、理想に近い物件が見つかっても、大幅な間取り変更ができなかったり、火気の使用が認められなかったり。建物の老朽化による修繕費も大きな課題でした。

また、店舗を借りるとなれば、住まいの費用とは別に家賃も必要です。「自分たちのお店を持ちたい」という気持ちはあっても、開業後の生活まで考えると、なかなか一歩を踏み出せない。物件探しやリフォーム会社巡りを重ねるうちに、一度は夢を諦めかけていたそうです。

そんなお二人が、偶然立ち寄ったのが、美想空間が運営するKLASI COLLEGEでした。

施工事例を見て「自分たちのやりたい雰囲気とマッチしている!」と感じてくださったこと、そして物件探しから一緒に考えられると知ってくださったことが、再び夢に向かって動き出すきっかけになりました。

たまたま見つけてくださったというKLASI COLLEGE(大阪市港区)

恩智神社へのお参りから始まった、運命の物件との出会い

物件探しを再開したお二人が出会ったのは、大阪府八尾市、恩智神社の参道沿いに建つ鉄骨2階建ての住宅。

実はこの物件、以前に恩智神社へお参りした帰り道で偶然見かけ、気になっていた建物だったそうです。そして美想空間のスタッフと一緒に内覧へ行くと、なんと最初に案内されたのが、その物件!

窓から見える山々の景色、やわらかな陽の入り方、建物の佇まい。もともとは駅近の立地を希望されていたものの、実際に建物を見た瞬間、「絶対ここだ!」と感じたといいます。

その後、もう1件の物件も内覧し、最後にお二人とスタッフで「いっせーのーせ!」と指差し。全員一致で選んだのが、恩智神社のふもとのこの家でした。

さらに印象的だったのが、以前の所有者さんとの出会い。地域のお祭りや桜の季節のこと、近隣のお店のことなどを教えてくださり、引き渡しの際には建物を隅々まできれいに掃除されていたそうです。
「ここがお店になると、またこの場所に来られるから嬉しい」そんなお言葉もいただいたのだとか。

建物を購入するということは、単に不動産を手に入れることだけではありません。そこに積み重なってきた時間や、地域との関係も受け継いでいくこと。
この物件との出会いには、そんなリノベーションならではの魅力が詰まっているように感じます。

恩智神社の参道沿いにある築36年の鉄骨住宅が、カフェとサロンを併設する住まいへ。

暮らしと商いを両立させた、リノベーションの工夫

今回、美想空間が提案したのは、店舗兼住宅という選択肢でした。

1階にカフェとエステサロン、2階に住居を設けることで、店舗と住まいを別々に確保する必要がなくなり、二重のコストを抑えることができます。

とはいえ、単純に建物の1階をお店にすればいい、というわけではありません。店舗にはお客様が訪れ、住居では家族が日々の生活を送ります。仕事と暮らしが近いからこそ、それぞれの動線をきちんと分けることが重要でした。

そこで、既存の階段を掛け替え、玄関の位置も見直すことで、店舗と住居の動線を分離。お客様が気兼ねなく訪れられ、ご家族もプライベートな時間を安心して過ごせる空間をつくりました。
また、店舗部分は既存の鉄骨造を活かし、天井を躯体現しに。白く塗装した鉄骨に木の素材感を組み合わせ、インダストリアルな雰囲気とやわらかさが共存する空間に仕上げています。

一方、2階の住居部分は必要最低限の改修に抑え、限られた予算を店舗づくりに重点的に配分しました。
何もかも新しくするのではなく、既存の建物で活かせるところは活かし、必要なところにしっかり手を加える。

こうした工夫により、物件取得とリノベーションを含めた計画を予算内で実現。 住まいと店舗を別々に持つ負担を抑えながら、お二人の夢を形にすることができました。

今回の審査では、参道沿いの三角地という敷地条件と住まい手の希望をうまく組み合わせた点や、暮らしやすさ、事業の始めやすさまでを考えた資金計画についても評価いただきました。
「どんな空間をつくるか」だけでなく、「そこでどんな暮らしや仕事を実現したいのか」。わたしたちがリノベーションをする上でいつも大切にしている視点を評価いただけ、大変嬉しく思いました。

鉄骨造ならではの表情を活かした、開放感のある店舗空間。

カフェとサロンが、地域の人々が集う場所に

こうして完成した店舗兼住宅「CHARMU+ME」。

1階には、麹を使ったランチやスイーツを提供するカフェと、エステサロンが並んでいます。
正面の大きな窓からは公園の緑が見え、店内にはやわらかな光が差し込みます。

お二人がこだわって選んだタイルや照明について、お客様から質問されることも多いそう。特に、お気に入りだという洗面スペースには異なる素材のタイルを組み合わせ、思わず目を留めてしまうようなデザインになっています。

また、恩智神社の参道沿いという立地も、この場所ならではの魅力です。初詣や桜の季節には多くの人が行き交い、地域の人々にとっても、立ち寄れる新しい場所が生まれました。

もともとの所有者さんが大切にしてきた建物が、今度はお二人のお店として人々を迎える。建物を受け継ぐことが、地域のつながりを受け継ぐことにもなっている。今回の審査で評価された「地域の交流拠点」という点にも、この場所ならではの魅力が表れているように思います。

窓いっぱいに広がる緑。ついつい長居したくなる、心地よい空間。
長年の夢を叶えたI様母娘。

「なりわいながら暮らす」という、住まいの可能性

一度は諦めかけた「自分たちのお店を持ちたい」という夢。
それが今では、恩智神社の参道沿いで、カフェとサロンという形になり、地域の人々を迎えています。

住まいと仕事をひとつの場所にすることで、費用面の負担を抑えながら、自分たちらしい暮らし方を実現する。今回の「なりわいながら暮らす家」は、既存住宅の可能性を改めて感じさせてくれる事例となりました。

そして今回、その取り組みを全国規模のコンクールで評価していただけたことを、とても嬉しく思います。
これからも美想空間は、建物そのものだけでなく、そこに暮らす人の想いや、これから始まる暮らしに寄り添ったリノベーションを大切にしていきたいと思います。

最後に…
I様、改めまして、受賞おめでとうございます!


【受賞概要】

コンクール:第43回 住まいのリフォームコンクール
受賞:一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 会長賞
受賞作品:なりわいながら暮らす家
所在地:大阪府八尾市
設計・施工:株式会社美想空間

【施工事例】

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