リノベ会社がラジオ…?美想空間のラジオ番組『リノベの時間』とは?リノベーションの現在地と未来をお届け!

2025.12.8
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リノベ会社がラジオ…?美想空間のラジオ番組『リノベの時間』とは?リノベーションの現在地と未来をお届け!

美想空間は、2022年7月よりラジオ番組『リノベの時間』を放送しています。(YES fm 78.1MHz)
リノベーション会社が「ラジオ」に挑戦する。
それは一見すると少し意外に感じられるかもしれませんが、美想空間がこの番組を立ち上げた背景には、リノベーションの本質を「人」から掘り起こしたいという強い想いがありました。

この番組は、単なる住宅リノベの紹介や企業PRではありません。
経営、まちづくり、デザイン、研究、メディア、教育、カルチャーなど、リノベーションに隣接する多様な領域で活躍するトッププレイヤーを迎え、その方のルーツ、現在の取り組み、未来の展望までを深く掘り下げ語っていただいています。

そして現在、放送開始から3年、出演ゲストは累計80名を超えました!

豪華ゲストが語る、リノベーションとまちづくりの現在地

これまで出演してくださったゲストは、設計士、建築士、リノベーション会社経営者、都市デザインの専門家、メディア編集者など、多岐にわたります。
たとえば、
株式会社タムタムデザイン 代表取締役 田村晟一朗さん
ブルースタジオ 専務取締役 大島芳彦さん
LIFULL HOMES総研 所長 島原万丈さん
リクルート SUUMO 編集長 池本洋一さん
360°(株式会社三六〇度)代表 納谷 新さん
など…
各分野の最前線で活躍される方々がお越しくださいました。

ではここで、特に印象に残った回を2本ピックアップしてご紹介します。

株式会社キャリアナビゲーション代表取締役 長嶋哲夫さん『建築学生のキャリアに「選択肢」を増やす』

長嶋さんの回は、建築学生のキャリア支援に長年向き合ってきた方ならではの、「なぜこの領域に入ったのか」「何が学生を迷わせているのか」を丁寧にひも解く内容でした。

もともとは化学を得意にして大学・大学院まで進んだ長嶋さん。
阪神淡路大震災を契機に「建設という仕事の存在」を強く意識したものの、建築を学んでいなかったため就職につながりにくく、本当にやりたい領域と現実の選択肢の違いに葛藤した経験をお持ちです。
その後、人事の仕事に進み、「学生が自分の進む道を選ぶときの情報の偏り」を身近に感じたことが、今の事業につながっていく伏線として語られました。

現在のメイン事業である新卒向け就職支援サービス「コンキャリ」は、建築・土木系学生と採用したい企業をマッチングするサービス。
仕組みとしては「建設産業特化のリクルート」のようなもので、学生が集まるイベントに企業が参加する形です。
そこで長嶋さんが繰り返し言及していたのが、「建築学生はキャリア選択の前提となる情報そのものを知らない」という問題。

同じ建設産業でも、新築・リノベ・設計事務所・ゼネコンで何が違うのか。
どの現場にどんな役割があり、自分の適性はどこにあるのか。
学校教育の中では触れられない「働く現場のリアル」が不足しているため、学生の迷いが深くなるという指摘が印象的でした。

また、TONKANと呼ばれる学生向けの実践型プロジェクトにも触れられ、社会人になる前に空き家や空間を実際に改修しながら「手を動かして学ぶ場」をつくっていることも紹介されました。
建築を「図面の世界」だけでなく、「使う側・つくる側の双方から体験する」ことを重視する長嶋さんの姿勢が強く感じられるエピソードでした。

番組ではさらに、コロナ以降に学生の価値観がどう変わったか、就活の軸がどこに置かれているのかといった最新の傾向にも話が及びました。
「建築学生がいま何に悩んでいるのか」という核心に触れた回であり、企業や教育機関からの反響が多数寄せられました。

株式会社オープン・エー代表取締役 馬場正尊さん『デザインが人と都市をつなぎ直す』

馬場さんの話は、都市をどう「読み取り」、どう「再配置」するかという編集思考で一貫していました。

前半では、学生時代に「都市をどう観察するか」で視点が一気に開けた体験、博報堂でコピーを書くより「街の潮流を読む」仕事におもしろさを感じたこと、雑誌『A』で建築とサブカルを接続し、「都市を文化として扱う」企画を次々に生み出した背景が語られました。

アメリカで見た「古い建物を手を加えながら使い続ける文化」の衝撃も大きく、「都市はもっと自由に使える」という感覚を得たことが、のちの東京R不動産へつながっていきます。
クセのある物件を「欠点」ではなく「魅力」として提示し、文章と写真で世界観をつくり込む。物件紹介を単なる「不動産情報」ではなく、ひとつの「編集メディア」として位置づけた発想が印象的でした。

後半では、単体の建物から「エリア」へ視点を広げた話が語られます。
震災後、リノベが点から線へ、そして面へと連鎖し、エリア全体の空気が変わっていく現象を目の当たりにし、既存の「まちづくり」という言葉では掴みきれない動きに対して「エリアリノベーション」という概念を提示した経緯が明かされました。

さらにその次のフェーズとして馬場さんが注目したのが「公共空間のリノベーション」。
海外で体験した、芝生の上で市民が自由に過ごす光景。
一方で、日本の公園には「禁止」の看板が並び、楽しむ余地がない。
その違いへの違和感が、「次に変えるべきは公共空間だ」という強い確信につながっていきます。

そこから仲間とともに社会実験を仕掛け、南池袋公園ではマルシェや仮設建築など「使われ方」を提案。
荒れた印象だった公園がにぎわいを取り戻し、周辺地価まで上がるという変化が生まれました。
民間の自発的なリノベーションから、行政と政治も巻き込む公共空間のアップデートへ。
馬場さんの視点の広がりが鮮やかにつながっていきました。

都市、建築、文化、そして社会システムへの眼差しまで。
20年の実践が一本の線でつながる、濃厚な回です。

“リノベの未来”に関心をもつすべての人へ

番組は当初、新築事業者やリノベ・不動産業界の実務者、建築を学ぶ学生を主なリスナーとして想定していました。
しかし、ゲストが語るテーマが個人のルーツや価値観、都市や建築の未来像に及ぶことから、徐々に異なる領域の方にも届くようになりました。
いまでは、建築学生にとどまらず、都市研究者、デベロッパー、公務員、デザイン職、起業家志望者など、幅広い層に聴いていただいています。

また、学生からは「働くイメージが湧いた」「キャリア選択のヒントになった」といった声も寄せられ、番組がキャリアの補助線として機能する場面も増えています。

番組はYES-fmで放送し、アーカイブはYouTubestand.fmPodcast「LISTEN」で公開しています。
▶放送局:YES-fm(大阪ミナミ 78.1MHz)
▶放送日時:毎月 第2・第4木曜 18:00〜18:30
▶スポンサー:キャリアナビゲーション(建築土木学生向け就活サービス「コンキャリ」)

おわりに

私たちは、この番組を通じてリノベの魅力をもっと広く、もっと深く伝えていきたいと思っています。
リノベーションに関心を持つ人が増え、未来のプレイヤーが育ち、業界全体が活性化する。
その循環こそが、リノベ市場の拡大につながると信じています。

リノベーションをひとつの「業界」としてではなく、「暮らし・仕事・まち・文化の交差点」として捉えなおすきっかけとなる番組を目指し、これからも進化していきます!
ぜひご視聴ください!