紡ぐ家―機織りの音が響く、家族の豊かさを紡ぐ家

SERVICE
住宅リノベーション
KEYWORD
戸建てリノベ
SOLUTION
建築
PROJECT
中古買ってリノベ
紡ぐ家―機織りの音が響く、家族の豊かさを紡ぐ家
PROBLEM

響かせたい音がある、でも場所がない…

お子様の誕生を機に新居を検討。奥様の趣味である機織りは音が出るため、住宅密集地では設置が難しく、大阪市内で希望に合う物件が見つからなかった。一方、ご主人は音楽や自転車が趣味で、それらを存分に楽しめる専用スペースが必要だった。

OUTCOME

機織りと音楽、ふたりの時間が響く家

美想空間と出会い、郊外の兵庫県川西市の閑静な住宅街に築44年の戸建てをリノベーション。奥様の機織り機を置く広さと音の配慮を考慮し、ご主人の音楽機器や自転車を楽しめる「好きなことを存分に楽しめる趣味部屋」を設置。夫婦それぞれの趣味が両立し、快適に暮らせる住環境を実現した。

趣味を紡ぎ、暮らしを彩る夫婦の理想の家

T様ご夫婦がリノベーションを選んだ理由は、自分たちの暮らしに合ったテイストを一からつくり上げたいという思いだった。既存の住宅やマンションでは叶わない趣味の空間や広々としたLDKを求め、建売ではなくリノベーションに舵を切った。

というのも、奥様は機織りを趣味として楽しみながら、販売する作品も制作していた。そのため機織り機を置く広さと音への配慮が欠かせなかった。一方ご主人は、音楽やギター、オーディオ機器を楽しみ、自転車を飾ることも含めて、自分の「好き」を集められる部屋を欲していた。

家族の暮らしを支えつつ、夫婦それぞれの趣味を尊重する住まいづくりがスタートした。

家族が寛ぐリビング。

都市部の限界を超え、趣味を尊重した郊外リノベへ

最初に探したのは大阪市内。だが、大阪市内での物件探しは難航。住宅密集地では音の問題をクリアできず、理想の物件は見つからなかった。

数多くの会社に相談したが、マンションリノベーション中心で戸建ての実績が乏しい会社が多く、方向性が合わなかった。

そんな折、美想空間の説明会に参加したことが大きな転機となる。「戸建てに強い」という提案力と、施工事例のテイストが自分たちの理想と重なったことが、リノベーションパートナーとして決め手となった。

そして視野を大阪市外に広げ、川西市の閑静な住宅地に建つ築44年の戸建てと出会う。斜面に建つ立地は隣家と目線が合わず、音の心配も少ない。半分平屋の外観も気に入り、この場所での暮らしがイメージできた。

ご主人が、京都に木を探しに行きご自分で色を塗って取り付けられた棚。

夫婦それぞれの趣味空間と家全体の調和を追求

奥様の織物部屋は和室を活かし、機織りに適した広さと落ち着きのある空間に。ご主人の趣味部屋はOSB板の壁に濃い色の床材を合わせ、落ち着いた雰囲気に仕上げた。

壁には自作の本棚や収納も加わり、音楽と本、自転車を共存させた居心地の良い場所となった。家全体は無垢材の床とラワンベニヤで仕上げ、素材感を統一。キッチンは業務用を思わせるステンレス製を選び、この家全体のテイストに合うよう調整した。

また、リノベーションの過程では、家族と友人の手で壁の塗装に挑戦。真夏の9月、汗だくになりながら二日間で仕上げ、別日に天井のオイル塗装も行った。大変ではあったが、自ら手を動かしたことで住まいへの愛着が一層深まった。

無垢フローリングやラワンベニヤ仕上げの天井、統一感のある建具は、古い民芸品や骨董市で集めた家具や雑貨と調和し、ヴィンテージ感のある落ち着いた空気を醸し出している。DIYで塗装した壁には夫婦の手の跡が刻まれている。

民芸品や骨董市で古い物を集めるのがお好きなお2人の、こだわりのモノたち。
ご主人の希望が詰まった趣味部屋。

趣味が暮らしを豊かにし、家族をつなぐ場に

リノベーション後の暮らしはマンション時代とは一変し、キッチン・ダイニング・リビングといった間取りに加え、寝室や収納、それぞれの趣味部屋を備えたことで生活のストレスが大きく減った。

DIYで仕上げた壁や収納は使いやすさと温かみをもたらし、家族のライフサイクルの変化に応じて手を加えられる柔軟さもある。

奥様の織物は専用の部屋を得たことで制作効率が高まり販売や活動へと広がり、ご主人の音楽や自転車も専用空間によって充実。

趣味を中心に据えつつ家族が自然に集まる場も確保され、「好きなことを我慢しない暮らし」が実現できた。

奥様の作品。美想空間メンバーにもファンが多い。

多様な趣味とライフスタイルを叶えるリノベが空き家再生の新たな可能性

築年数の経った戸建てでも、住む人の趣味や暮らしに合わせた設計で新たな価値を創出できる。また、都市部で叶いにくい趣味の両立も、地域特性を活かせば実現が可能。

空き家リノベーションは、多様なライフスタイルを受け入れながら新しい選択肢を生み出す手段となることを示した事例となった。