進化する『宮崎街中リノベ会議』!“話して終わり”ではなく“まちを動かす場”へ

2025.11.2
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進化する『宮崎街中リノベ会議』!“話して終わり”ではなく“まちを動かす場”へ

宮崎市が主催する「宮崎街中リノベ会議」は、まちなかに眠る空きビルや遊休不動産をどう活かし、どう“人の動き”を生み出していけるかを考える場としてスタートしました。

わたしたち美想空間は、この会議の立ち上げ段階から参画し、リノベーションを軸にまちづくりを手がけてきた経験をもとに、“宮崎のまちなかに新しい風を吹かせたい”という想いを持つ人たちとともに、企画づくりや発信の伴走を続けています。

そして今、この「宮崎街中リノベ会議」が、当初の想定を超える進化を見せています。“考える場”から、“動き出す場”へ。今回は、そんな「宮崎街中リノベ会議」の“今”をお伝えします。

『宮崎街中リノベ会議』とは

「宮崎街中リノベ会議」は、宮崎市都市整備部まちづくり課を中心に、合同会社TEGENA TOWN、宮崎商工会議所、そして株式会社美想空間が集まり、「街をどう盛り上げるか」を本気で話し合う場として生まれました。

きっかけは、宮崎市まちづくり課が抱えていた「空きビル問題」でした。宮崎市の中心である商店街エリアには活気ある路面店や新しいお店も多く、通りを歩けば賑わいを感じられます。しかし視線を少し上に向けると、2階以上のフロアは空きスペースが目立ち、ビルの上層部が“空中に取り残されたもったいない空間”になっている。この現状を変えたいという思いから、「街中リノベ会議」はスタートしました。

わたしたち美想空間は、この会議の立ち上げ当初から企画協力や発信の伴走者として参画し、全国各地のリノベーション現場を見てきた経験を生かし、宮崎のまちづくりにおいても「きっかけのデザイン」を担っています。

そして、ここから実際に生まれた拠点が、わたしたち美想空間が運営する「新公民館VOL」です。この場所を起点に、その後も議論と実践を重ね、新しいプロジェクトが続々と動き始めています。
その循環こそがまさに、美想空間が目指す“地域との関わり方”そのものであり、今 確かな“うねり”となって広がりつつあります。

『宮崎街中リノベ会議』のこれまでの歩み

では、ここから「宮崎街中リノベ会議」がこれまでに歩んできた実績と、その具体的な取り組みをご紹介します。

2024年7月2日 宮崎街中リノベ会議vol.1

講師:(株)ブルースタジオ 大島芳彦氏
会場:明治安田生命宮崎ビル1階セミナールーム
参加者:セミナー69名、見学ツアー17名

初回となるvol.1は、「空きビルを活用した街づくりの秘訣を学ぶ」をテーマに開催。
講師には、全国各地でエリアリノベーションを手がけるブルースタジオの大島芳彦氏を迎え、宮崎市中心部で実際の空きビルを題材に、リノベーションの手法やまちづくりの進め方を学びました。

行政関係者、不動産オーナー様、まちの方など、幅広い立場の方々が参加し、「空きビルの上階にも人の流れを取り戻したい」という共通の思いを共有。イベント後には、実際に活用を考えるオーナーや出店希望者同士の交流も生まれました。

また、後日、参加者向けに日南市でのリノベーション施設見学ツアーも実施。飫肥でまちづくりに取り組むパークストック代表 鬼塚氏の案内で現場を歩きながら、地域再生のリアルな事例を体感しました。

2025年2月18日 宮崎街中リノベ会議vol.2

講師:(株)See Visions/(株)スパイラル・エー代表取締役 東海林諭宣氏
会場:明治安田生命宮崎ビル 1階セミナールーム
参加者:50名

vol.2は、秋田県でまちづくりを推進する〈株式会社シービジョンズ〉の東海林諭宣氏を講師に迎えて開催。テーマは「クリエイティブの力で空きビルの価値を再発見する」。

これまで“建物の改修”として語られてきたリノベーションを、“価値の再編集”として捉え直すきっかけとなる内容でした。vol.2でも、空きビルのオーナーや出店希望者さん、クリエイター、行政職員などが集い、デザインや編集の視点から「まちの資源をどう活かすか」を議論しました。

2025年8月4日 宮崎街中リノベ会議vol.3

講師:設計事務所スターパイロッツ代表 三浦丈典氏
会場:新公民館VOL
参加者:51名

新公民館VOLを会場に行われたvol.3では、講師に全国で公共施設や商業空間のリノベーションを手がける建築家・三浦丈典氏(株式会社スターパイロッツ代表)をお迎え。「建築家・三浦丈典さんと考える宮崎のこれから」というテーマで開催されました。

印象的だったのは、三浦氏の「こっそり ごっそり 宮崎をかえよう」という言葉でした。
大きな計画ではなく、小さな実践を積み重ねてまちを変えていく。その姿勢こそ、宮崎らしいまちづくりにつながるのではないかと、多くの参加者が共感しました。

また、トークセッションでは美想空間代表・鯛島が登壇。「まちづくりは結果。困りごとを一つずつ解決していく、その先に元気な街が生まれる」という考え方を共有し、参加者同士の対話が深まる時間となりました。このイベント終了後も、空きビルオーナーから新たな相談が寄せられ、次の実践へとつながる”きっかけ”が生まれました。

2025年11月開催予定!Vol.4_実際の空き家を舞台にしたワークショップ

こうして、vol.1からvol.3を通じて、「空きビルをどう再生するか」から「まちをどう動かしていくか」へと、会議のテーマは少しずつ進化してきました。そして、現在準備中のvol.4では、いよいよその“動き出しているまち”の実践編ともいえる内容が予定されています。

vol.4では、宮崎駅近くにある築44年の空き家を題材に、「この物件をどう活かすか」を考えるワークショップを実施します。

現場を歩きながら“自分ならこの場所をどう変えるか”アイデアを出し合い、実際に実践していくことを想定しています。単なるイベントではなく、「次の一歩を踏み出す人を増やすためのプログラム」へと進化しているこの会議で、また宮崎のまちに新しいチャレンジが生まれる、と、期待が高まっています。

歩みを止めず、まちを動かす

「宮崎街中リノベ会議」は、単発のイベントではなく、“まちをどうしたいか”を学び・語り、“できることから動かす”人たちが集う、学びと実践の場として着実に広がりを見せています。
会議で生まれた出会いが確かな“きっかけ”となり、そこからまた新たな動きがはじまる。その連鎖こそが、美想空間が目指すまちづくりの形であり、醍醐味です。

これからも美想空間は、“誰かの挑戦のきっかけ”を、行政やまちのみなさんとともにつくる伴走者として、この流れをさらに広げていきます!